「青い薔薇って、知ってる?」

「知ってる。」

それがどうしたの?って言いたそうな顔。
今日も君は俺のこと、あんまり相手にしてくれない。
さっきから携帯ばかり見てるね。
そんなにおもしろいかい?顔の見えない相手とのメールは。
さらさらの髪が、夏の香りのする風で揺れた。

「じゃあさ、青い薔薇の花言葉知ってる?」

「知らない。」

別に知りたくもないし。
それに、青い薔薇って最近はあるんでしょ?
興味なさそうに、またメールを打ってる。
俺の顔も見てくれないなんて、ちょっと寂しいな。
恋人に彼女ができた、ってやっぱり苦しいんだね。
いくら誤魔化したってさ、すぐわかっちゃうよ。
君の目、赤いし、潤んでる。

昔からそうだ。
他の人のことはよく見てるけど、
俺のことはあまり見てくれない。
俺は思いのほか、君のこと見てるんだけどな。
そろそろ気付いてくれたって、いいんじゃない?

「・・・ねえ、もしかして怒ってる?」

「なんで?」

「だって、さっきから何も喋らないから。」

俺にまで裏切られると思ってる?
そんなことしないよ。
だから、そんな顔しなくてもいい。

今、悲しんで苦しんでる君の弱さにつけこんで
恋人になるのは簡単なことなのかもしれない。
だけど、そんなことはしない。
もっと堂々と、この気持ちを言える日まで
君が笑顔で俺を受け入れてくれる日まで
その日まで、待つよ。
いつそんな日がくるのかは、わからないけどさ。


「青い薔薇の花言葉、教えてあげようか。」

「・・・うん。」


ありえないって意味さ!
(君が俺の想いに、
     気付くことなんて
























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