朝が来る度に、泣きたくなる。
閉め切ったカーテンのすき間から差し込む日の光が、痛い。
鳥のさえずりが、うるさい。
ぎゅっとかたく目を閉じて、毛布にくるまった。
もう随分、太陽を見ていない気がする。
天気が悪いからだとか、そういうのじゃない。
最後に家から出たのは、いつだっただろう。
小学生のときは、少し色黒だったのを気にしていたのに
今のあたしの腕は不健康に青白い。
ちゃんと血は流れているんだろうか。
運動をしないせいですっかり弱ってしまったであろう心臓が、今日も小さく脈打つ。
自分の鼓動に耳を傾けながら、光の差し込む窓に背を向けた。

あたしのことをいじめた人達は、今日も笑いながら学校に出かけるのだろうか。
友達と今日の予定について話したり、愚痴をこぼしたりするんだろうか。
ただそれだけのことが、すごく羨ましい。
あたしのことなんてすっかり忘れて、笑っているんだろうな。
自分だけが外の世界から切り離され、置いていかれる悲しさ。
親の優しい言葉の一つ一つが、ぐさりぐさりと刺さる痛み。
何もせずに、ただ一日が過ぎていく怖さをしらずに。

「いじめの原因はあなたにもあるのよ。」
あの先生のあの言葉を思い出すだけで、今でも心臓が止まりそうになる。
あんたに何がわかるのと言おうとして、嗚咽だけが漏れたのを覚えている。
原因って、なんだったんだろう。
お前の存在自体が気にいらないと言われたあたしは、どうすればよかったんだろう。
死ねば、よかったんだろうか。
どうか、答えを教えてほしい。
学校にもいけなくなって、誰とも話さなくなって
部屋に閉じこもって一人、日の光に怯えるあたしは
一体、どうすればいいんだろうか。

 
 
 
 
そして今日も空は青い。 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
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